築き、紡ぎ、大切にしてきた
産業と文化の継承
山田錦発祥のまち実行委員会
- 髙澤 充洋
- Mitsuhiro Takazawa
日本一の酒米「山田錦」発祥のまちゴールデンプロジェクト
多可町は山田錦発祥のまち。農家として山田錦を育てながら、「山田錦発祥のまち実行委員会」会長を務める。毎年、「日本酒フェスタ」や「日本酒の日」などの日本酒イベントを開催し、日本酒と山田錦、多可町の魅力を広める活動を続ける。
体験では、山田錦の生産に携わる農家や、品種維持に取組む研究者との交流を通じて、なぜこれだけ長期にわたり山田錦がトップブランドであり続けているのかを学ぶ。
EPISODE 01
山田錦発祥のまち多可町の魅力
普段はどういった活動をされていますか
普段は、水稲栽培農家として先祖から受け継ぐ田で山田錦を育てています。山田錦は、日本酒づくりを支える酒米の王者です。山田錦を育てる農業は、山田錦発祥のまちである多可町にとって、兵庫県、日本にとっても大切にしていきたい産業です。
多可町では、毎年、さまざまな山田錦のイベントを開催しています。10月1日の「日本酒の日」には、これまで30年以上コンサートを行なっており、日本酒と音楽のコラボレーションなどの新たな試みも行っています。2月の「日本酒フェスタ」では多可町ゆかりの日本酒の飲み比べができ、自由な飲み方を提案するなど、思う存分日本酒を楽しめる機会を提供しています。
山田錦、日本酒の素晴らしさを地域内外の方に広く知ってもらうことはもちろん、さまざまなPR活動を通して、多可町の魅力の発信、発展にも繋がる活動を行なっております。
Interview
EPISODE 02
数えきれない試行錯誤を重ねて
大切にしていることを教えてください
品質の高い山田錦を生産し、美味しい日本酒を作るため、“農家と酒蔵との連携”は常に大切にしています。
酒蔵が求めるのは高品質な山田錦。穂の長い山田錦を倒れないように管理し、いつ訪れるか分からない自然災害にも対応する必要があります。特に台風の影響や、地球温暖化により年々増加するカメムシなどの害虫は、品質に悪影響を与える要因となるため、毎年対策を強化させなければなりません。
このように、その年、その時に合わせ、水や肥料、天候、害虫対策など育てる上で考慮しなければならない部分は少しずつ変わるため、何度でも試行錯誤を行います。そして、それらを正しく見極めることは、非常に難しいからこそ、やりがいを感じます。
EPISODE 03
農家から酒蔵へ託すバトン
これからの夢や目標を教えてください
毎年、田植えや収穫時期には酒蔵の関係者にも来訪していただき、実際にその年の田んぼを見て、酒米の品質向上に向けた意見交換を行います。農家がどのように山田錦を育てているかを知ってもらい、今年の豊作を一緒に願うことで、農家から酒蔵へ“お酒になるまでのバトン”を託し、結びつきを大切にしています。
いいお酒には最高の山田錦が必要であり、いい山田錦は最高のお酒になります。気候、地形、水と、品質の高い山田錦を育てるための条件の揃った多可町だからこそ、これまでもこれからも品質を維持した山田錦をつくり続けなければならない。そうしてできた山田錦を酒蔵に喜んでいただき、多可町産山田錦でつくられたお酒と共に、その年を振り返ります。
これからも、農家と酒蔵で良い結びつきを築きながら、山田錦や日本酒の良さを共に広めていくために活動を続けていきたいと思っています。
- 歴史
- Works
Works
- SDGs体験型地域プログラム
- SDGs Programs
Experience
日本一の酒米「山田錦」発祥のまちゴールデンプロジェクト
・山田錦に関する座学から田植え・稲刈り(町内山田錦生産者の耕作田を利用)
・山田錦が日本酒になるまでの体験
- 体験内容
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- 酒造りに大切な要素は米・水・杜氏。その酒米の王者と呼ばれる「山田錦」は兵庫県が約90年前に品種開発し、全国500以上の酒蔵に供給するトップブランド。
- 県立酒米試験地(加東市)で数年先の気候変動を予測した品質維持が行われている。この山田錦の生産に最適の土壌や気象条件を備えたのが特A地区とよばれる三木市と加東市、そして、山田錦の母方の原品種「山田穂」発祥の地とされる多可町。
- 本プログラムは、山田錦の生産に携わる農家や、品種維持に取組む研究者との交流を通じて、なぜこれだけ長期にわたり山田錦がトップブランドであり続けているのかを学ぶ。
Program
- プログラム提供者概要
- Overview
Outline