想い願いを
鮮やかな色に乗せて

柴崎物産株式会社

柴崎 彰孝
Akitaka Shibasaki

プロから学ぶ特産品 ~鯉のぼりとひな人形~

 「播州鯉」と呼ばれる加東市のこいのぼりは、品質の良さと柄の豪華さ写実的なさまが評価されてきた。和紙や木綿生地に一匹ずつ筆で描き上げ仕上げていく製法で始めたこいのぼり作りは、時代の流れから製法を変えながら技術を受け継いできた。
 体験では、こいのぼりの歴史や意味を職人の解説に学びながら、こいのぼりの染色を実際に自分たちで行うができる。

EPISODE 01

時代とともに変わってきた製法

こいのぼり作りを始めたキッカケを教えてください

 祖父から受け継いできて私で5代目となります。祖父は、和紙や木綿生地に一匹ずつ筆で描き上げ仕上げていく製法でこいのぼりを始めました。時代の流れもあり父の代から白いナイロン生地にうろこ・目などパーツで分かれた版を順にのせ染料で色づけをする「シルク印刷」という製法に変わりました。

 元々東条地域が男児の節句を祝う「のぼり絵旗」の生産地であったことから、複雑で大胆な絵柄も描ける職人が多くいたこともこいのぼりの生産が盛んになったことへ繋がっているのでしょう。

 体長70センチから10メートルの大きいサイズのこいのぼりをひとつひとつ描き上げるのはまさに職人技。かなりの集中力と根気が必要です。横に長い作業台に生地を広げ一気に仕上げていきます。

Interview

EPISODE 02

地域によって職人たちによって違う面白さ

作るこいのぼりにはどういった特徴がありますか

 加東市のこいのぼりは「播州鯉」と呼ばれ、品質の良さと柄の豪華さ写実的なさまが評価されてきました。ウロコは尾まで同じ大きさなのも特徴的です。

 さらに「柴崎物産」のこいのぼりには口の部分に“ひげ”に見立てた二重の波のような曲線が入っています。これを目印に空を泳ぐ姿を見つけたときは親心のように嬉しくなります。こいのぼりは一見どれも変わらないように見えますが、地域によって職人たちによっても特徴と違いがあるため、それを発見するのもひとつの楽しみ。注目してみると様々な新しい発見ができると思います。

 今ではシルク印刷が主流な製法となり当時と比べると筆で描き上げることは少なくなりました。しかし、ひとつのこいのぼりを作り上げるのに版を何枚ものせていくため少しのズレも許されないという緊張感は変わらず丁寧に仕上げております。

EPISODE 03

空を泳ぐ姿をいつまでも

これからの夢を教えてください

 現在加東市でこいのぼりを作っているのは2軒だけとなってしまいました。

 この技術を受け継いでいくのはもちろんのこと、一緒に歴史・文化の背景を伝えていくことも大切にしていかなければなりません。時代とともに変わっていくものはあれど、変わらない技術と想い、歴史・文化の背景が正しく伝わっていけば繋いでいくことができる。
 
 これからも技術変わらずできるだけ長くこいのぼりを作り続けていきたいです。そして人々の想いと願いをのせたこいのぼりが毎年空を泳ぐ姿を見ることができれば幸せです。

仕事風景
Works

Works

SDGs体験型地域プログラム
SDGs Programs

Experience

プロから学ぶ特産品 ~鯉のぼりとひな人形~

・鯉のぼりの染色体験
・ひな人形の着付け見学
・押絵づくり

実施日
通年
所要時間
鯉のぼり:90分 ひな人形:30分 計120分
料 金
鯉のぼり、ひな人形セットで3,000円
※体験料金は、加東市観光協会へ支払
備 考
予約:要。加東市観光協会(0795-48-0995)に電話
   (営業時間 8:30~17:15 / 定休日 水曜日)

Program

プログラム提供者概要
Overview
所 属
柴崎物産株式会社
所在地
兵庫県加東市大畑1391
WEB
https://www.shibasaki-bussan.com/
SNS

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