想いをこめた
世界にひとつだけの特別なものづくり
有限会社 出井人形店
- 出井 和典
- Kazunori Izui
プロから学ぶ特産品 ~鯉のぼりとひな人形~
女の子が生まれたことを祝い成長するまで厄災から守り続けてくれるのがひな人形。日本の節句文化を伝えていきながら、加東市で唯一ひな人形の「着付師」として活躍。成長を願い想いを込めてひとつひとつをオーダーメイドでつくることにこだわり続ける。
体験では、加東市に伝わり受け継がれてきたひな人形の着付けを見学し、伝統的な技法で行う押絵づくりなどを学ぶことができる。
EPISODE 01
子ども達の自由な発想から得る刺激
普段はどういった活動をされていますか
元々東条地区のひな人形づくりは、農閑期に収入を得るための副業として加東市に伝わり受け継がれてきた産業です。ひな人形を作る職人には大きく分けて頭師・着付師・小道具師という3つがあり、私は着付師として加東市で唯一の職人となります。
普段は、ひな人形を作ることはもちろん小学校や中学・高校で講師として節句文化のお話をしたり、伝統的な技法で行う押絵づくりや木目込み人形の鞠づくりなどの技術を教え、作品づくり体験も行なっています。こうした活動をしていると、子ども達の素直で自由な感性に圧倒されることが多く、特に木目込み人形の鞠づくりをさせると本当に面白い作品が見られます。
彼らの規則性のない色使いや柄など自由な鞠づくりからは様々な刺激を得ることができ、毎回どういった作品に出会えるか楽しみにしながら教えています。
Interview
EPISODE 02
ひな人形は、ただ1人のためを想い創るもの
お仕事のやりがいを教えてください
私たちは、本来のひな人形のあり方を考え、大量生産ではなくひとつひとつをオーダーメイドでつくることにこだわり続けてきました。市販のものを売り場から選ぶのではなく、お人形の胴体に名前を記し、その子の成長を願いながら1枚ずつ着物の組み合わせを選びます。
贈られた子どもたちにとってもご家族にとっても、1人のためを想った世界にひとつだけのお人形は特別なもの。
我が子や孫のためを想い、職人の手によって丁寧につくり上げられたものこそが本来のひな人形であり、私たちは職人として節句の一役を担っているという自覚を持ちながら作り続けています。そしてひとつのお人形が完成するたびに、子どもたちをお祝いできることに喜びとやりがいを感じます。
EPISODE 03
節句の一役を担う職人としての役目
これからの夢や目標を教えてください
今では、核家族化が進み祖父母と一緒に暮らすという家庭が少なくなってしまったことで、伝統や風習・節句文化が祖父母から親世代へ、そして子へと“自然と受け継ぐ”ことが難しい時代になってしまいました。
女の子が生まれたことを祝い、そしてその子が成長するまで厄災から守り続けてくれるのがひな人形。飾られた人形にはそれぞれの役割があり、ひな人形を毎年“3月3日”に飾り〜片づけるという行動にも多くの意味があります。
節句の意味と過程をしっかりと理解し、大切にしていくことが重要であり、さらに受け継ぐことも大切にしなければなりません。“自然と受け継ぐ”ことが難しい現代だからこそ、我々のような職人が節句の意味を伝え、加東市にはこんなに素晴らしい技術があるのだと積極的に発信していく必要があります。
次の世代へ受け継いでいきながら“生涯現役”として、ひとつひとつに心を込めたひな人形をこれからもつくり続けていきます。
- 仕事風景
- Works
Works
- SDGs体験型地域プログラム
- SDGs Programs
Experience
プロから学ぶ特産品 ~鯉のぼりとひな人形~
・鯉のぼりの染色体験
・ひな人形の着付け見学
・押絵づくり
- 実施日
- 通年
- 所要時間
- 鯉のぼり:90分 ひな人形:30分 計120分
- 料 金
- 鯉のぼり、ひな人形セットで3,000円
※体験料金は、加東市観光協会へ支払
- 備 考
- 予約:要。加東市観光協会(0795-48-0995)に電話
(営業時間 8:30~17:15 / 定休日 水曜日)
Program
- プログラム提供者概要
- Overview
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