モノづくりへの想いと
価値の再発見

株式会社ダイイチ

宮永 信秀
Nobuhide Miyanaga

そろばんのまちで、オリジナルそろばん製作体験

「播州そろばん」は400年以上の歴史を持つ小野市の地場産業。後継者不足が問題視される播州そろばんを、どうにか未来へ残さなければという想いに背中を押され、家業を継ぐことを決意。代々受け継がれた本格的なそろばんの製造に加え、“今の時代にあったそろばん”とは何かを考え、知育おもちゃやアクセサリーの開発、イベント活動にも力を入れる。
 体験では、丁寧なレクチャーで世界に1つのオリジナルそろばんの製作をすることができる。

EPISODE 01

親になって、改めて出た答え

お仕事を始めたキッカケを教えてください

 そろばんは、小野市の地場産業であり「播州そろばん」として400年以上の歴史があります。私の先祖も代々そろばんを作り、幼い頃からそろばんに親しみながら育ちました。

 しかし、家業を継いだのは、少し後になってからです。車が好きだったことから、大学を卒業して自動車業界へ足を踏み入れ、そこで成長したいという気持ちが芽生えていました。そうして長いこと勤め、結婚し子どもが生まれたことをキッカケに、親として家庭を支える責任感を考えるようになりました。そろばんがあったからこそ充実した生活ができたことを思い返し、地元に戻って家業を継ぐ選択をしました。

 時代の流れを考えても、かなり勇気と覚悟が要る決断でしたが、後継者不足が問題視される播州そろばんを、どうにか未来へ残さなければという想いに背中を押され、日々向き合っています。

Interview

EPISODE 02

大切に、愛着を持って使い続けてほしい

お仕事のやりがいを教えてください

 長くそろばんに触れていると、このそろばんがどれだけ大切に使われているかがわかるようになります。修理依頼を受けたそろばんのなかには、角が削れていたり、軸の部分が鉛筆で黒くなって汚れが目立つそろばんなど…残念ながら多くのそろばんはあまり大切に扱われていないのですが、大事に使っている子どもに出会ったときは本当に嬉しいです。

 また、神戸の小学生から壊れたそろばんの修理依頼を受けたことがありました。修理を終えて渡した際、その子が「このそろばんが大好きで、すごく使いやすい」と、綺麗に直ったそろばんを大切に抱えて喜んでくれました。

 持ち主が愛着を持って使ってくれていることを実感できる瞬間は、本当に特別です。子どもたちには、ひとつのものを大切に使い続けることを、そろばんからも学んでほしいなと思います。

EPISODE 03

今の時代にあったそろばんとは何か

これからの夢や目標を教えてください

 「播州そろばん」は、玉削り、玉仕上げ、竹ひご作り、組み立ての四分業制で製造されています。自社独自のアプローチとして、ひとつひとつの商品には携わった職人の名前を明記し、職人技を尊重しています。職人の数も激減した今、かつては各地の職人へ依頼していた組み立て以外の工程も自社で行えるようにし、存続させていかなければならないと考えています。

 現在、そろばんの需要はそろばん塾に通う子どもたちが中心です。代々受け継がれた本格的なそろばんの製造に加え、“今の時代にあったそろばん”とは何かを考え、アクセサリーや小さなお子さん向けの知育おもちゃなどの商品開発、「そろばんビレッジ」などのワークショップ・イベント活動にも力を入れています。

 こうした挑戦を通じて、より多くの子どもたちにそろばんの魅力を伝え、楽しんでもらえる商品を提供していきます。

商品
Works

Works

SDGs体験型地域プログラム
SDGs Programs

Experience

そろばんのまちで、オリジナルそろばん製作体験

地場産業であるそろばん製造のレクチャー、世界に1つのオリジナルそろばんの製作体験

実施日
通年で対応可能
所要時間
1時間
料 金
そろばん製作体験 2,300円(9桁)、2,800円(12桁)、3,300円(15桁)等
備 考
体験場所:そろばんビレッジ
そろばんビレッジにて電話で受付(11:00~17:00)

Program

プログラム提供者概要
Overview
所 属
株式会社ダイイチ
所在地
兵庫県小野市垂井町734
WEB
http://daiichi-j.com/
SNS

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