地域へ、地球へ。
未来を見据えて還元していく

株式会社ソーイング竹内

竹内 祐太
Yuta Takeuchi

播州の繊維産業活性化を目指すエコファクトリー見学ツアー

 高校時代は岡山県へ野球留学に渡るほど野球に明け暮れる日々を過ごす。
幼い頃から身近にあった繊維業界に飛び込み、営業・商品企画に携わる傍ら、地域イベントには実行委員として参加。

 見学ツアーでは、工場でお客様に裁断から縫製、検品までの商品ができるまでの流れとワークショップを体験していただくことで、「ソーイング竹内」が持つモノづくりへの思いや、モノづくりを行う環境を知ってもらう。

EPISODE 01

地域のコミュニティの強さとつながりを
目の当たりにして

今のお仕事を始めたキッカケを教えてください

 「ソーイング竹内」は、祖父の竹内 裕が創業し、キッチン用品の縫製から歴史が始まっています。そのため、幼い頃から当たり前のように繊維業界が身近にある環境で育ってきました。洋服などのアパレル商品は大好きでしたし、大学は大阪の経営学部へ進学し、アパレル企業でアルバイトを始めました。卒業後は東京の繊維営業職へ就職。多くの経験を積み、地元多可町へ戻ってきました。

 一度地元を出て良いなと感じたことは、地域のコミュニティの強さ。多可町を歩いていると、地元の小学生とすれ違い様に元気な挨拶のコミュニケーションが見られることがあります。ほんの些細なことだけれど、広い視野で見つめると地域のコミュニティや横のつながり、団結力に通ずる部分もあり、そこは絶対に無くしてはいけないなと思います。祖父の代から続くこの会社を大きくしていきながら、地域に根ざし、地域と共に育っていく会社へしていくことは僕の使命でもあり、会社の在るべき姿でもあると感じています。

Interview

EPISODE 02

想像力に限界を作らず、無限に広げていく大切さ

仕事のやりがいを教えてください

 モノづくりをしていると、やはり、商品が店頭に並ぶ姿を見つけた時が一番やりがいと喜びを感じます。ハンカチ、キッチン用品など自社オリジナルのブランドも持っていますが、普段は他社ブランドの製品を製造するOEM生産も多く、取引先のブランド様を通して商品が販売されるため、店頭に並ぶまでの準備をしているという感覚です。その準備期間には、商品を手に取った人の顔や実際に使われる姿を想像して「より良いものを作ろう」と自分を奮い立たせ、いざ使われる姿を見た時の気持ちは何物にも代え難いです。

 また、趣味で料理をするため、心地よく料理を作るには?美味しく食べるには?という思考は自社オリジナルのキッチン用品ブランドの商品企画・開発の面で存分に役立っており、“趣味が高じて仕事に繋がる”というのは、やりがいも喜びも何十倍になります。

EPISODE 03

業界の垣根を超えて面白いことを

これからの目標を教えてください

 地域の高齢化、人口減少などに負けず、多可町で働く理由・住む理由になれる“会社”であり“人”でありたいと思っています。

 さらに、繊維・縫製業界も含め一次産業の賃金の低下が著しく、業界全体が倒産や業務衰退に追い込まれている現状があります。業界全体、地元の播州織を、活気づけていくためにどうしたらいいかは、何年、何十年先も考え続けていたいです。そのために地域とのつながりを持ち続け、還元していけるようにという思いから、2017年には地域経済のバリューチェーンの中心的な担い手、および担い手候補である企業として、経済産業省より「地域未来牽引企業」に選定されました。

 今回のひょうごフィールドパビリオン認定もそういう思いに繋がっています。様々な体験プログラムの中で多可町はもちろん兵庫全体の良さを多くの人に見つけてもらいファンを増やし、来てもらうきっかけになるよう、業界の垣根も超えて手を取り合って面白いことをしていきたいです。

仕事風景
Works

Works

生地の裁断は機械を使用して行います。

生地の裁断は機械を使用して行います。

体験イベントの参加者と一緒に“布の端切れ”を使った記念品の制作を行いました。

体験イベントの参加者と一緒に“布の端切れ”を使った記念品の制作を行いました。

SDGs体験型地域プログラム
SDGs Programs

Experience

播州の繊維産業活性化を目指すエコファクトリー見学ツアー

オープンファクトリーでものづくり現場の雰囲気を肌で感じ、現場そのものを直に体験
ワークショップでデザイナーや織物職人と交流

体験内容
  • 約170年前に、農閑期の副業対策として兵庫の真ん中、西脇市周辺で定着した播州織。
  • 糸の段階で染色してから織り上げる先染め綿織物は、地域を流れる清流加古川の軟水に育まれ発展した。戦後の経済成長期に地域経済を牽引する繊維産業として、世界中の有名ブランドに生地素材を供給してきた。
  • アジア諸国の経済成長に伴い、繊維業界の活力は失われ、廃業が相次いだ。産地が直面したのは大量生産から小ロット多品種化、素材生産から最終製品生産による高付加価値化への転換である。
  • この転換を進めるにあたり、地域ぐるみで若手デザイナーを受入れ、彼らの斬新な発想により商品開発に取組んだ結果、業界規模の縮小は続くものの、デザイン性の高い最終製品の供給により、高付加価値化や産地の認知度向上、業界の活性化は着実に進んでいる。
  • 本プログラムは、産地を訪れ職人たちと交流することで、産業構造変化や後継者不足に対する、アプローチを学ぶもの。
実施日
各事業者や万博交流活性化推進協議会などが開催するオープンファクトリー等のイベントにて実施
所要時間
1時間程度
料 金
各工場による

Program

プログラム提供者概要
Overview
所 属
株式会社ソーイング竹内
所在地
兵庫県多可郡多可町中区糀屋90
WEB
https://www.sewing-takeuchi.co.jp/
SNS

Outline